新作能 《田道間守》 番組
ご挨拶 豊岡市長
本日の演目について 河村 晴久
仕舞 橘 たちばな
橘の木の実に由来の、梅若家当主のみに許される仕舞「橘」を、人間国宝である 四世 梅若実(六郎玄祥改め)が特別上演する。
仕舞 西行桜 クセ さいぎょうざくら
シテは(西行法師の庵の)老桜の精。
西行法師の夢に現れた 老花の精 は桜の名所の数々を語り舞う。千本、毘沙門堂、黒谷、下河原、清水寺、そして嵐山・・・。春の、桜の名曲を観世喜之家当主である観世喜之が舞う。
仕舞 梅 キリ うめ
シテは 梅の精。百花の魁・梅の花の精が現れ、御世を寿ぐ。今回は「キリ」(能の終曲部)を演じる。祝言性あふれる演目。本文中に《梅》独特のヨミが数多く出てくるのは国学の影響。
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新作能 田道間守 たじまもり
京都の菓子職人が城崎温泉に向かう途中、豊岡の円山川に立ち寄る。そこにやってきた老人に、白い鳥は鶴ではなくコウノトリだと教えてもらう。老人はさらに菓祖・中嶋神社を教え、田道間守のことを詳しく語る。やがて老人は、自分こそ田道間守の神と名乗り、姿を消す。〈中入〉
豊岡の小学校の先生が子供たちを連れてくる。子供たちの田道間守の歌の合唱を聞かせてくれる。
夜更け、菓子職人の夢に、常世の国からやってきた橘の精、そして田道間守の神霊が現れ、御代の平和、菓子の功徳、但馬の繁栄を寿ぐのだった。
平成二十六年三月初演、但馬を舞台にした新作能である。
監修 十三世林喜右衛門
演出 四世梅若実
製作 田道間守製作委員会
脚本 田茂井廣道